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【水泳部必見】バタフライが驚くほど楽に泳げる練習メニュー5選

「他の種目は普通に泳げるのに、バタフライだけはどうしても苦手だ」
「25m泳ぐだけで息が上がってしまい、練習についていけない」

水泳部で練習に励む中で、このような悩みを抱えている方は非常に多いです。バタフライは「水泳の王様」と呼ばれるほどダイナミックで格好いい泳法ですが、同時に最も体力を消耗しやすい種目でもあります。

しかし、実はバタフライが「しんどい」のは、筋力が足りないからではありません。多くの場合は「リズム」と「脱力」のコツを知らないために、無駄な力を使ってしまっているだけなのです。正しい体の使い方を覚えれば、驚くほど楽に、長く泳ぎ続けることができます。

この記事では、水泳初心者や中級者が陥りやすいポイントを分析し、明日からの部活ですぐに使える具体的な練習メニューを5つ紹介します。

この記事を読むと分かること

  • バタフライで疲れずに泳ぐための正しいリズムとタイミング
  • 推進力を最大化し、ブレーキをかけない姿勢の作り方
  • 部活の自主練で使える、効果的な5つの具体的練習メニュー
  • 後半に失速しないための「サボり方(脱力)」のテクニック

バタフライが「一番しんどい」と感じる本当の原因

多くのスイマーがバタフライを苦手に感じるのには明確な理由があります。まずは、なぜ自分の泳ぎが疲れてしまうのか、その根本的な原因を理解することから始めましょう。

筋力不足ではなくリズムのズレ

バタフライが泳げない原因を「腕の力が弱いから」「腹筋がないから」と考える人がいますが、それは大きな誤解です。実際には、手と足のタイミング、つまり「リズム」がズレていることが最大の要因です。

本来、バタフライはイルカのように体全体を使ってうねることで進みます。しかし、リズムが悪いと、手で水をかきたいタイミングで足が沈んでいたり、顔を上げたいに体が浮いてこなかったりします。結果として、水と喧嘩をするような泳ぎになり、必要以上の筋力を使って無理やり体を持ち上げることになります。

無駄な抵抗を生む姿勢の崩れ

もう一つの大きな原因は、水の抵抗を受ける姿勢になっていることです。特に多いのが、息継ぎの瞬間に体が立ち上がってしまうケースです。体が斜めになると、正面からの水の抵抗をまともに受けてしまいます。

これは、車の運転で例えるなら、アクセルを全開に踏みながら同時にブレーキをかけているような状態です。これではどれだけ体力を消耗しても、前には進みません。抵抗を減らし、水面に対してフラット(平ら)な姿勢を保つことが、楽に泳ぐための最短ルートです。

楽に前に進むための基礎ドリル【キック編】

バタフライの推進力の源は「うねり」です。まずは腕を使わず、足と体の連動だけで進む感覚を養う練習メニューを紹介します。

【練習1】水面を滑るような姿勢を作るグライドキック

最初のステップは、正しい「うねり」を覚えることです。ビート板は使わず、気をつけの姿勢(手は体側)またはストリームライン(けのびの姿勢)でドルフィンキックを打ちます。

この練習で重要なのは、膝を曲げて蹴ることではなく、胸や腰から動かす意識を持つことです。胸を水に押し込むと、その反動で腰が浮き、自然と足先へと力が伝わります。水面を滑るように、滑らかに進む感覚を掴んでください。

【練習2】うねりを生み出す第1・第2キックの使い分け

バタフライのキックには、1ストローク中に2回のタイミングがあります。

  • 第1キック:手が水に入ると同時(エントリー)に打つキック。腰を高く保ち、うねりの起点を作ります。
  • 第2キック:手が水をかき終わる時(フィニッシュ)に打つキック。水を後ろへ押し出し、推進力を生みます。

練習では「トン(第1)、トーン(第2)」というリズムを口ずさみながら泳いでみてください。第1キックは軽くバランスを取る程度、第2キックは強く前に進むイメージで強弱をつけると、リズムが整いやすくなります。

タイミングを完璧にする分解練習【プル・スイム編】

キックのリズムが掴めたら、次は手の動作(プル)を加えていきます。いきなり両手で泳ぐのではなく、分解して練習することで正しいタイミングを体に覚え込ませます。

【練習3】呼吸とストロークを合わせる片手バタフライ

片手バタフライ(ワンアーム)は、最も効果的なドリルの一つです。片手は前に伸ばしたまま、もう片方の手だけでバタフライを泳ぎます。呼吸は横向き(クロールのような形)でも、前向きでも構いません。

意識すべきポイントは、キャッチ(水を捉える瞬間)のタイミングです。前のめりになりすぎず、第1キックに合わせて手が自然に水に入る感覚を大切にします。また、呼吸をする際に頭を上げすぎないよう注意しましょう。片手でスムーズに泳げないうちは、両手で泳いでも形が崩れてしまいます。

【練習4】リカバリーを楽にする水面ギリギリの腕運び

腕を水上から前に戻す動作を「リカバリー」と呼びます。疲れてくると腕が上がらなくなり、水面を引きずってしまいますが、これを防ぐための練習です。

リカバリーでは、腕を高く上げる必要はありません。むしろ、水面ギリギリを低く、横から回すようなイメージの方が肩への負担が少なく、楽に回せます。小指から水を出て、親指から着水するような意識で、リラックスして腕を運ぶ練習を繰り返してください。肩の力を抜くことが成功の鍵です。

後半もバテないスタミナをつける泳ぎ方のコツ

25mや50mの後半で失速してしまうのは、泳ぎの中に「休憩時間」がないからです。トップ選手も全力で泳ぎ続けているわけではなく、一瞬の脱力時間を上手に作っています。

【練習5】「3回キック・1回プル」で伸びを作るドリル

通常のリズム(2回キック・1回プル)ではなく、あえてキックを3回、あるいは4回打ってから手を回す練習を行います。手を前に伸ばしている時間(グライド)を長く取るためです。

入水直後にすぐ次の動作へ移るのではなく、第1キックを打った後に「スーッ」と体が前に伸びる時間を意識的に作ります。この「伸び」の時間こそが、バタフライにおける休憩時間です。この感覚を覚えれば、通常のスイムに戻した時も、一かきごとに体を休めながら泳げるようになります。

目線の位置を変えるだけで腰が浮く

最後に、フォーム全体の安定感を高めるコツをお伝えします。それは「目線」です。呼吸をしようと必死になると、どうしても顎が上がり、目線が天井や遠くの前方を向いてしまいます。頭が上がると、シーソーの原理で足と腰は必ず沈みます。

息継ぎの時は、水面ギリギリに顎を乗せる程度にし、目線は斜め前方の水面を見るようにしてください。そして息継ぎが終わったら、すぐに頭を腕の間に入れ込み、真下を見ます。頭をしっかり入れることで重心が前り、腰が高い位置にキープされやすくなります。

よくある悩みと解決のヒント

ここでは、練習中によく直面する悩みとその解決策をQ&A形式でまとめました。Q. 泳いでいると肩が痛くなります。フォームが悪いのでしょうか? 肩への負担が大きい場合、腕を戻す時(リカバリー)に無理やり高く上げようとしているか、入水時に手の幅が狭すぎる可能性があります。手は肩幅よりやや広めに入水し、水面を撫でるように低く腕を戻してみてください。 Q. 第2キックのタイミングがどうしても分かりません。 手が太ももに触れる瞬間にキックを打つ意識を持ってみましょう。難しければ、無理に強く蹴ろうとせず、手のフィニッシュに合わせて足首をスナップさせる程度でも十分です。まずはタイミングを合わせることを優先します。 Q. 息継ぎで沈んでしまい、次に手が回りません。 息継ぎの時間が長すぎることが原因です。「パッ」と短く息を吸い、すぐに頭を水中に戻してください。頭を戻す勢いを利用して、重心を前へ移動させると、次のストロークへスムーズに繋がります。

毎日の部活で意識を変えるだけでタイムは縮む

バタフライは、力任せに泳いでも速くはなりません。むしろ、「いかに力を抜いて、水の流れに乗るか」を追求する種目です。

今回紹介した5つの練習メニューやポイントは、特別な道具がなくても明日の部活からすぐに実践できるものばかりです。まずはタイムを気にせず、リズムと姿勢だけに集中して泳いでみてください。「あれ?いつもより楽に進むな」と感じる瞬間が必ず訪れます。

その小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな自信となり、大会でのベストタイム更新へと繋がっていきます。焦らず、一つひとつの動きを丁寧に確認しながら練習に取り組んでいきましょう。

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