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【水泳部必見】平泳ぎのタイムが縮まる!基本と実践練習メニュー5選

部活で毎日泳いでいるのに、なかなか平泳ぎのタイムが縮まらないと悩んでいませんか。周りの仲間がベストタイムを更新していく中で、自分だけ取り残されたような焦りを感じることもあるでしょう。

平泳ぎは4泳法の中で最も抵抗を受けやすく、タイミングが難しい泳ぎ方です。しかし、裏を返せば「抵抗を減らすコツ」と「正しいタイミング」さえつかめば、体格に関わらず一気にタイムを伸ばせる可能性を秘めています。パワーに頼るのではなく、効率よく水に乗る感覚を身につけましょう。

この記事では、今日から部活の練習で意識できる具体的な改善ポイントと、効果的なドリル練習を紹介します。記事を読み終える頃には、自分の泳ぎの課題が明確になり、プールに入るのが楽しみになっているはずです。

この記事を読むと分かること

  • 力がなくても進む「抵抗の少ない姿勢」の作り方
  • 推進力を最大化する正しいウィップキックのコツ
  • 部活中や自宅で実践できる具体的な練習メニュー

速くなるカギは「抵抗減」と「タイミング」

平泳ぎで速くなるために最も大切な考え方をお伝えします。それは「頑張って手足を動かすこと」ではなく、「水の抵抗をいかに減らすか」に集中することです。

水の中では、空気中の約800倍もの抵抗がかかります。どんなに筋力トレーニングをしてパワーをつけても、姿勢が悪ければ水の壁にぶつかりながら泳いでいるようなものです。特に平泳ぎは、手と足の動きが水中で行われるため、他の泳ぎ方以上に抵抗を受けやすい特徴があります。

タイムを縮める公式はシンプルです。

推進力(進む力) - 抵抗(ブレーキ) = スピード

多くの選手は「推進力」を上げようと必死に手足を速く動かしますが、同時に「抵抗」も増やしてしまっています。まずはブレーキをかけない姿勢、つまり「ストリームライン(けのびの姿勢)」を極めることが、タイム短縮への近道です。

そして、もう一つ重要なのが手と足の「タイミング」です。手と足が同時に動いてしまうと、推進力が相殺されてしまいます。それぞれの動作を正しい順番で行うことで、驚くほど楽に、速く泳げるようになります。

進む平泳ぎの要!ウィップキックの習得

平泳ぎの推進力の約7割は「キック」によって生み出されます。クロールや背泳ぎとは異なり、足の裏とふくらはぎの内側で水を挟み込み、後ろへ押し出す動作が求められます。ここでは、現在主流となっている「ウィップキック(ムチのようなキック)」のポイントを解説します。

足首をしっかり返す「タメ」の作り方

キックが進まない最大の原因は、足首が伸びたまま蹴ってしまうことです。これでは水が足の裏から逃げてしまい、空振りしている状態になります。水を捉えるためには、足首をしっかりと曲げて(背屈させて)、足の裏を進行方向の逆に向ける必要があります。

この準備動作を「タメ」と呼びます。以下の手順で確認してみましょう。

  1. かかとをお尻に引きつける際、膝は肩幅程度に開きすぎないように注意します。
  2. 引きつけの最後で、足首を外側に向けながら直角に曲げます(この形が重要です)。
  3. 膝から下を外に開き、「ハの字」のような形を作ります。

膝を広げすぎると股関節の抵抗が増えてしまいます。膝の幅はこぶし1つ~2つ分程度に抑え、膝下をうまく使う意識を持ちましょう。

水を挟んで後ろに押し出すイメージ

足首のセットができたら、実際に水を蹴り出します。ここでは「蹴る」というよりも、「水を挟んで絞り出す」イメージを持つと良いでしょう。

ムチのようにしなる動作で、足の裏で捉えた水を後方へ一気に押し出します。そして最も重要なのが「蹴り終わり」です。蹴った後に足が開いたままでは、それが大きな抵抗になります。蹴り終わりは必ず、足の裏同士がくっつくように両足を揃え、一直線に伸ばしてください。

この「蹴って揃える」までがワンセットです。揃えた瞬間に体がスッと前に進む感覚があれば、正しくキックができています。

呼吸も楽になる!水を逃がさないプル動作

手の動き(プル)は、呼吸をするための動作であると同時に、補助的な推進力を生む役割があります。しかし、手を大きく広げすぎたり、後ろまでかきすぎたりすると、かえってブレーキになってしまいます。

肘を立てて水を捉えるハイエルボー

水を効率よく捉えるためには、「ハイエルボー(肘を高く保つ)」技術が欠かせません。水をキャッチする際、肘が下がってしまうと、水の上を撫でるだけになり力が伝わりません。

具体的な動きは以下の通りです。

  1. 肩幅よりやや広めに手を開き、水をキャッチします。
  2. 肘の位置を固定したまま、肘から先を立てて水を抱え込みます。
  3. 胸の前まで水をかき込み、上半身を水面上に持ち上げます。

このとき、手を体の後ろ(お腹の下あたり)までかき込まないように注意しましょう。平泳ぎのプルは、体の前側だけで完結させるのがコンパクトで抵抗の少ない泳ぎ方です。胸の前で小さな円を描く、あるいはハート型を描くような軌道をイメージしてください。

リカバリーは水面すれすれを素早く

呼吸をした後、手を前に戻す動作を「リカバリー」と呼びます。この動作は、抵抗を最小限にするために素早く行う必要があります。

水中で手を前に出す際、手のひらを合わせて拝むような形で、水面すれすれ(あるいは水上)を突き刺すように伸ばします。ここでゆっくりしていると、体が沈んでしまい、次の動作に移るのが遅れてしまいます。

「パッとかいて、シュッと出す」というリズムを意識し、一瞬でストリームラインの姿勢に戻ることが大切です。

最も重要!「伸びる時間」を恐れずに作る

初心者が最も不安に感じるのが、手も足も動かしていない「伸びている時間(グライド)」です。「止まってしまうのではないか」と怖くなり、すぐに次の動作を始めてしまいがちです。

しかし、平泳ぎで最もスピードが出ているのは、キックを打ち終わり、体が一直線に伸びている瞬間です。この「伸び」の時間を十分に取らないことは、せっかくのスピードを自ら殺してしまうことになります。

以下の比較表を見て、自分の泳ぎがどちらに近いか確認してみてください。 速い人の泳ぎ(伸びがある) 遅い人の泳ぎ(伸びがない) キックの後、体が一直線になり進む時間がある 絶え間なく手足を動かしていて忙しない ストローク数(かき数)が少ない ストローク数が多く、後半バテる リズムが「1、2、伸びーる」 リズムが「1、2、1、2」

勇気を持って「1秒~1.5秒」ほど伸びる時間を作ってみてください。驚くほど楽に、遠くまで進む感覚が得られるはずです。

部活ですぐ実践!レベル別練習メニュー

理屈が分かったところで、実際に部活動の練習中に取り入れられるメニューを紹介します。顧問の先生やメニュー係に提案してみるのも良いですし、フリー練習の時間に試してみてください。

キック力を強化する「壁キック」

まずは基本のキックを固める練習です。

プールサイドの壁を持ってうつ伏せになり、顔を上げてキックの練習を行います。この練習の目的は、推進力を確認することではなく、「足首の形」と「蹴り終わりの合わせ」を目で見て確認することです。

  • 意識する点: かかとを引きつけた時に、足首がしっかり曲がっているか後ろを振り返って確認します。
  • 応用: ビート板を持たずに、気をつけの姿勢(背面浮き)でキックを打つ「ドリル」も有効です。膝が水面から出ないように意識することで、膝を引きすぎない正しいフォームが身につきます。

タイミングを覚える「2キック1プル」

手と足のタイミングと、伸びの感覚を養うのに最適な練習です。

通常の平泳ぎの動きの中で、手を1回かく間に、キックを2回打ちます。

  1. 一度プルを行い、呼吸して手を前に戻します。
  2. その状態でキックを1回打ち、体を一直線にして伸びます。
  3. そのまま手は動かさず、もう一度キックを打ち、さらに伸びます。
  4. 次のプル動作に入ります。

この練習を行うと、強制的に「長く伸びる時間」が作られます。「第1キック」で姿勢を整え、「第2キック」でさらに加速するイメージです。水に乗る感覚が掴みやすいため、アップやドリル練習に取り入れてみてください。

自宅でも強化!平泳ぎに効く陸上トレ

水泳部での練習時間は限られています。ライバルに差をつけるためには、自宅でのケアやトレーニングが欠かせません。特に平泳ぎは股関節の柔軟性が命です。

1. 股関節の柔軟ストレッチ
お風呂上がりなどに、足の裏を合わせてあぐらをかくような姿勢で座り、膝を地面に近づけるストレッチを行います。また、「女の子座り(割り座)」の体勢からゆっくり後ろに倒れるストレッチは、ウィップキックに必要な膝と足首の柔軟性を高めます。ただし、膝に痛みを感じる場合は無理に行わないでください。

2. 体幹トレーニング(プランク)
水中でフラフラせずにストリームラインを維持するには、腹筋と背筋のバランス、つまり体幹が重要です。肘とつま先で体を支える「プランク」を1分間×3セット行いましょう。お尻が上がったり下がったりしないよう、体を板のように真っ直ぐ保つことがポイントです。

平泳ぎの悩み解決Q&A

最後に、水泳部の現場でよく聞かれる質問や悩みに回答します。

Q. 泳ぐと膝の内側が痛くなります。どうすればいいですか?

膝の開きすぎや、無理に足をひねって蹴っている可能性があります。いわゆる「平泳ぎ膝」と呼ばれる障害につながりかねません。膝の幅を少し狭くし、無理に足首だけで水を捉えようとせず、太もも全体を使って挟み込むような意識に変えてみてください。痛みが続く場合は無理せず練習を休み、整形外科を受診しましょう。

Q. 試合のスタートやターンで離されてしまいます。

平泳ぎ独自のルールである「ひとかきひとけり(一掻き一蹴り)」を極めましょう。スタートやターンの後、水中で大きく手を太ももまでかき(プル)、その後に一度ドルフィンキックを打つことが許されています。水中の抵抗が少ない深い位置で、この動作を正確に行うだけで、浮き上がった時の位置が数メートル変わります。

Q. 試合で失格にならないために気をつけることは?

中高生の大会で多い失格理由は「片手タッチ」です。ゴールやターンの際は、必ず「両手同時」に壁に触れなければなりません。疲れてくるとズレやすくなるので、練習の時から必ず両手でタッチする癖をつけておきましょう。

まとめ

平泳ぎのタイムを縮めるためには、がむしゃらなパワーよりも、論理的なフォームの改善が効果的です。今回ご紹介したポイントを振り返ります。

  • 抵抗を減らす: 常にストリームライン(けのび)の姿勢に戻ることを意識する。
  • 正しいキック: 足首をしっかり返し、水を挟んで後ろへ押し出す。
  • 勇気ある「伸び」: 手足を動かさない時間を恐れずに作り、水に乗る。

最初はタイミングを変えることに違和感があるかもしれません。しかし、その違和感こそがフォームが変わろうとしている証拠です。

明日の部活では、まず「2キック1プル」の練習を行い、伸びる感覚を確かめてみてください。焦らず一つずつ課題をクリアしていけば、必ずベストタイムは更新できます。応援しています。

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